東京ロングライド(単独)御嶽開田高原から    戻る


メンバー 僕


2014年4月19日、20日.


4/19金沢〜小矢部〜八尾〜神岡〜数河高原〜高山〜木曽街道〜長峰峠〜開田高原〜九蔵峠〜木曽福島〜塩尻〜塩尻峠〜諏訪
4/20諏訪〜韮崎〜甲府〜甲州街道〜笹子TN〜大月〜大垂水峠〜八王子〜新宿〜東京駅


とんぼ♪死にたいくらいに憧れた花の都大東京♪ 長渕剛の唄のようにYASUHIROさんが成功してから僕も自転車で東京に行くことに密かに憧れていた。
ロードを購入したからには憧れを現実にしたい。しかし全て素人で不安でいっぱい、あれこれ悩むが行くしかない。敗退覚悟であえて厳しいルートを選択して計画を練ってみた。
しかし経験が無いのでイメージが湧かない、山道でのビバーク覚悟で出発した。

4/19

自宅0:00 いつも山に行くときはあまり心配しない妻が珍しく心配していた。山と勝手が違うし僕が不安を口にしてるからだろう。大丈夫、明かりもたくさん付けてるし車にひかれないよ!
じゃあ行ってくる。初めて深夜の町中を走行してスタートした。2日前の北アルプス縦走の疲れが取れてなく足が重いが漕ぎまくる。R359から小矢部に入り砺波に向かった、途中にカメラのSDカードを入れ忘れを思い出し
コンビニに逆戻りして購入、大幅時間ロスになった。交通量が少ないので快適に飛ばし細入の道の駅で休憩、まだまだ足が重い。

神岡4:50 薄明るい中到着しここからは数河高原の峠越え、最初のヒルクライムだ。足も軽くなっていたのでドンドン登り峠からは古川までの下り、最初は楽しかったが気温が2度で体中ガチガチで寒く古川のコンビニで
暖をとりながら食事をした。20分後出発してR41を高山に行く。

高山7:27 高山からはR361に向かうがここがいつも分かりずらく迷う所、美女街道から行くのだが道路案内も無く皆迷ってるらしい。高山市全体は分かりずらく観光客からもクレームが多いが改善されない街だ。
ぐるぐる迷いやっと美女街道に入り御嶽に目指す、もう時間ロスだらけだ。ここから長峰峠まで35KMの登りだ。だらだらと上り坂が続き嫌になる。

長峰峠11:03 やっと着いた。標高は1350mであまり高くないが距離が長い。峠から開田高原へ下る、気温も上り爽快。高原に着きそば屋に入り食事をする、超美味い。満腹になったらスタート、九蔵峠からは御嶽が見え
元気をもらうが新地蔵TNまでアップダウンの連続で体力が奪われる。TNからは木曽福島まで快適な下りで楽しかった。

木曽福島12:49 ここから木曽街道を行くがコンビニが無い。予定のルートの峠越えの連続ルートで茅野に向かう分岐点に来たがもう栄養ゼリーが無しそのまま北上して塩尻に向かうことに決めた。狭い木曽街道は交通量も
多く怖かった。横すれすれにトラックが通過していき風圧でよろめく。おまけに峠越えの鳥居TNは歩道も狭くて車道側に柵がしてある、長く薄暗いTNを行くが後方から車が途切れることなく通過しライトで明るいがふと途切れた時に
真っ暗闇になり感覚を失い柵に接触、反対に振られ壁に接触。狭いのでコケることなく何度も両腕を打ち付け減速した。服はボロボロで傷まみれになった。

塩尻15:15 やっと着きここからR20に向かう。東京まで220kmと表示されていた。まだまだ先だ。本日4つ目の塩尻峠に向かう、しかし登りの途中でパンクしチューブを交換する。今回2本の予備チューブを持ってきていた。
疲労もピークになってきているが1012mの塩尻峠に登り上げた。

塩尻峠16:21 さすが1000m越えは寒い。一気に降りたいが車が多くストレスの下り。全く楽しくない。岡谷市内に入るともっと交通量が増えてなかなか進めない、おまけに信号も増え渋滞しだしてきた。車の横を縫うように
路側帯を行くと2度目のパンク。勘弁してほしい。路側帯は道路のゴミや粉じんが溜まっているのでパンクしやすい。チューブ在庫を使って予備が無くなったので穴の修理も行い予備とした。

上諏訪17:35 大幅に時間ロスで到着。交通量もMaxでもう進むのは危険で効率が悪いので宿泊はここに決めた。宿探しは面倒なのでビバーク用に持ってきたツエルトをコンビニ駐車場の隅に張り寝床とした。食事とトイレには
困らないが諏訪は寒い。ツエルト内で食事を取り就寝はレスキューシートにくるまり輪行袋に潜り込み仮眠した。

4/20

上諏訪22:35 2時間ほど寝れたか。さあ出発しよう。交通量は減り快適に進むことができた、やはりチャリは夜中がいい。山梨県に入ったころ雨が降り出してきた、携帯でリアルタイムの天気を見るとにわか雨だが濡れて体を
冷やすとろくなことないからコンビニに寄ってレインウエアの下を購入、手足はレジ袋をもらい靴下と手袋両方に被せてアウター替わりにした。手はドラえもんのようでギアが変えにくかった。
韮崎に入ると雨が強くなり服も濡れだしてきた、運よくコンビニがあり上のレインウエアとビニール手袋を買い武装した。さらに雨が激しくなり泣きが入る。スピードも出せないし前も見えない。もう家に帰りたい。

甲府2:27 甲府手前で雨が止んでくれた。気を取り直しペダルを漕ぐ。甲府バイパスを行くとけたたましい爆音とパトカーのサイレンが鳴っていて暴走族を追いかけていた。まさにテレビで見る警察24時の場面だ。
やるね若者、今度はこの元気でチャリで暴走してください。ここから笹子TNまで長い登りが続く、腹が減ったのでラーメン屋に入り食事する。

笹子TN5:13 レインウエアを着ての漕ぎに時間がかかりやっと到着。ここも標高709mで寒い。数日前の暖かさはどこに行ったものやら。車の合間を見てTNに突入、看板にはトンネル内歩行者、自転車に注意の表示があるが
皆猛スピードで通過していく。点滅灯を付けていなければ自殺行為だ。本当に怖かった。トンネルを抜けると再び雨になっていたがここからは下り坂、スリップしないように飛ばす。
快適な下りは上野原まで続き相模湖を過ぎれば最後の峠だ。

大垂水峠8:43 ここまで本当に頑張った、雨にも負けず坂にも負けず…やっと東京に入った。もう都心まで下りだ、ここまでいくつもの峠があっただろうか。東京側から大勢のヒルクライマーが来ている。皆強そう、ザックを背負っているのは
僕だけです。雨も上がりレインウエア脱ぎ下り坂を飛ばした。下からドンドンチャリダーが登ってくる、この峠はヒルクライマー天国らしい。あっという間に高尾に着いた、駅には大勢の登山者が列を作っていた。高尾山登山者ですか?
疲労はピークを過ぎているが飛ばし八王子に入った、信号が多くなりストレスの走りとなる。それでも下りだからスピードが出るが街中で僕が信号の変わり目に横断歩道を突っ込んだのとおばちゃんが見切り発信で渡ろうとした時運悪く衝突。
僕は3メートル程飛ばされ車道に倒れた。スピードは40kmは出ていただろうか?すぐにチャリダーたちが集まり僕を抱えて歩道に移動してくれた。おばちゃん申し訳なさそうだったが僕も悪い。チャリが心配だ、ここで壊れたら八王子で
敗退になってしまう。そんなの嫌だ。やっと立ち上がりチャリを見るとハンドルが曲がりギアチェンジが出来なくなっていた。だが走れる。
あまりの衝撃事故で誰かが救急車を呼んだらしいが僕もう大丈夫ですのでもう行きます。

しかし腰が痛く漕げない、日野市に入ったころちょうど病院があったので立ち寄ったが休診。しかし事務のお姉さんが親切でいろんな病院を探してくれた。どこもダメで東京には消防庁に病院を紹介してくれる窓口がありそこに連絡してみた。
2件紹介してくれたがやはり受診させてくれない。いったい何のための救急医療何だろう。痛みがひどくなったら地元で受診しますと言い再び漕ぎ出した。東京駅まであと30km試練と苦痛の距離でした。

若いおねーちゃんにぶち抜かれ僕のロードはもはや飾りに過ぎず痛みに堪えていた。それでも痛みが麻痺してきたら25kmくらいスピードが出せ車道に出て飛ばす。新宿までもう少し、気合が戻ってきた頃3回目のパンク…東京は本当に
甘くない。もう許してください。予備ももうないので慎重にゆっくりと駅に向かう事にした。

新宿駅に来たら人が沢山、僕も何度も来ているがチャリでは初めて。うれしくなった。後は皇居から駅に行くだけ、外苑が見えると元気が出てきた、最後の力を振り絞りチャリダーのスピードに合わせ駅に向かう。

東京駅12:54 着きました。。。東京駅!憧れの場所。もうなにもいりません。最高の達成感。僕も頑張ったが自転車も頑張ってくれた、やはり単独ではなにかあった時のリスクが大きい事が分かった。次からは準備を周到にしなければ
ならない。 記念写真を撮りチャリをバラシて輪行準備、練習したからさっさとできた。後は切符を買って金沢に帰るだけ。
本当に辛く厳しいロングライドでしたがまたやりたくなってきた。
 

夜明け前に神岡に到着。さあ峠越えだ。

高山に着くころはもう暖かい。

長い木曽街道。長峰峠までもうちょい。

開田高原のそばは激ウマ。

木曽福島はまだ桜が咲いていた。

1日目最後の峠、塩尻峠。ハードなコースです。

今日の宿泊地。工夫すれば快適です。

2日目。深夜は土砂降りに会い半泣きでした。

恐怖の新笹子TN。日中はかなり危険。

東京への最後の峠。ヒルクライマーの天国でした。

高尾山口駅には登山者がいっぱいいた。

新宿駅。うれしかった…

警視庁が見えてきた。もうすぐゴールだ。

着きました。もう何もいりません、最高です。