抜戸岳周回 穴毛谷滑降        戻る


メンバー 僕、あんちゃん、パク


2020年3月15日


新穂左俣ゲート1:30~ワサビ平小屋2:37~デブリ沢取付き2:50~沢上部4:49~尾根~杓子平6:21~主稜線7:33~
抜戸岳山頂7:41~56~滑降~穴毛大滝8:15~堰堤群8:46~林道合流9:04~ゲート9:12


今日は多分今の時期の記録がない抜戸岳から穴毛谷を滑降する周回に出かけた。抜戸岳と穴毛谷はよい条件が揃っていないと中々行けない所だが数少ないチャンスを掴んできた。

いつものように夕方寝て夜に起きた。道路は空いていたので新穂までは早かった。パクはまだ夢の中、あんちゃんは1時過ぎに到着した。そして1時半にあんちゃんとスタート、パクは2時発。先にラッセルしておくよ。

前日の降雪のおかげで駐車場からスキーを履けた、ゲートを越えると残雪があるのが例年よりかなり少ない。チビラッセルで進んでいく。たっぷり1時間かかってワサビ平小屋に到着、ここから尾根に取付いたが藪が濃くて大変だった。行けないことはないがかなり時間がかかりそう、あんちゃんと相談して直ぐ横にある禁断のデブリ沢を詰めることにした。沢に取付いたところでパクが合流した。

デブリの上に新雪が積もっているのでマシだけど急斜面なので歩きにくい、クトーを装着してガシガシ登っていく。沢の上部までは標高差600mはある。スリップしないように登ろう、暗くて下は見えないが滑りだしたら止まらないだろう。カチカチだと使えないルートだ。標高が上がると空が抜けた、月が明るく穂高の稜線も見える。しかしメチャ寒い、防寒しないと無理だべ。

沢の上部からトラバースして右の尾根に取付く、このトラバースも心臓に悪かったが暗いのでチョットだけマシだった。尾根に上がると極寒が緩和された、沢に冷気が溜まっていたのだろうか。このころから徐々に明るくなってきた。暗いし寒いし休憩なしで登るからペースが速い、明るくなるころには2200mを超えていた。明るくなるとガスも湧いてきた、穂高の絶景がイマイチだが時間と共に解決した。

ガスが晴れればパラダイス、ラッセルの疲れが吹き飛ぶ瞬間です。太陽も出てきたので休憩しよう、初めてのまともな休憩だった。僕たち3人は低燃費ですな。尾根から杓子平に登り上げた、風が冷たすぎる、たまらず防寒第2弾をしたがゴーグルはいらなかった。正面に山頂部が見える、美味しそうな斜面を見ながらピークを目指した。

3人で効率よくラッセルを回していよいよ核心部の雪庇越えだ、ここをクリアすれば主稜線、ピークもすぐそこだ。デブリがあったので雪崩地帯だから早く通過しよう。ちょうどパクがラッセルだったのでパクが最初に雪庇に挑む。ツボになったら胸ラッセル…早くも降参だった。次はあんちゃんがスキーで挑む。雪庇の弱点に向かって進んでいると雪面が破断して雪崩が発生した。ジグソーパズルのように割れた雪と共に50m程流された。雪崩ることは想定していたし下は緩斜面なので直ぐに止まるから驚かなかった。前回の教訓でこの山行ではヤバい所は1人づつ進むようにしていた。

あんちゃんは無事だし大丈夫。さて僕が挑む。雪庇と戦い主稜線に登り上げると更に絶景が待っていた。みんな早く登っておいで、ハイジの世界だよ!パク、あんちゃんの順で登り上げハイジの世界に酔いしれた。でも寒いからさっさとピークに行って写真を撮ろう。さあ着いた、時刻は8時前、笠ヶ岳も狙える時間だった。しかし今日は昼から悪天予報、そして目の前にはメインディッシュのパウダーが待っている。時間が経つと腐ってしまうから笠ヶ岳という選択は誰もなかった。

さて、視界はあるし雪の状態も良い、作戦会議で穴毛谷を滑降することにした。至福のパウダーを存分に楽しもう、こんなチャンスは滅多にない。とりあえず目の前のパウを頂こう。雪庇から僕が1番目で安全地帯まで一気に滑り降りた、もう最高、生きててよかった。みんな安全地帯に着いたらやりたい放題しましょう。杓子平にシュプールを描く、これを至福と言わずに何と言おう…。あっという間にザイテングラートに着いた。ここら先は危険地帯なので順番です。超急斜面だが雪崩る心配はなかった、みんなカモンベイビー。写真を撮りあい穴毛大滝に着いた。

この時期の大滝は初めて見る、水量は少なく大きな雪の滝つぼが出来ていた。10メートル近く積もっているのだろうか。記念写真を撮ってデブリ地帯に滑り込む。谷は狭くなり壮絶なデブリがあるけど両岸には新雪があるのでスイスイでした。何の苦労もなく安全地帯に着いた。今日は最高のコンディションであった。さて堰堤群の200m程上から雪が切れだした。降雪が無ければ渡渉の連続だったが2か所の渡渉で堰堤まで滑ることができた。

雪不足なので堰堤群も際どい、そして下部はジャングルになっていた。今年の賞味期限はあと数日か…。新雪のおかげで藪とフレンドリーになって滑降できた。そしてドンピシャ橋の所に滑り降りた。今日は登りも滑りも最高のルーファイでした。時間も早いので林道は高速道路、あっという間にゲートに着いた。ゲートから先も雪が残っていたので駐車場まで滑り込めた。なんという会心の山行だこれも速攻山行のおかげだ。

しばらくしてあんちゃんとパクもゴール、お疲れ様…っていうか疲れてないね。パクは今季一番の会心だったと喜んでくれた。
記録と記憶に残る山行でした、終わってみれば7時間40分の超速攻山行。山スキー万歳。。。

月明りで撮れた。

稜線も。

速攻軍団。

明るくなる。

槍。

機関車。

おはようさん。

稜線が見えた。

ピークも見えた。

太陽にほえろ!

杓子平の登り。

マンダム。

穂高展望の山。

雪崩ている。

行くしかない。

監視。

パクが降参。

あんちゃんが流された。

望遠で確認、無事だった。

突破したら絶景。

絶景。

我ら白山。

ガンバ。

着いたぜベイビー。

滑降準備。

山頂からGO

雪庇からGO

快感。

至福。

タマランチ。

会心。

核心は続く。

ザイテングラートの滑り。

気合十分。

穴毛大滝に着いた。

記念写真。

穴毛谷中腹。

デブリを避ける。

安全地帯にきた。

渡渉。

ジャンプ。

ジャングルでした。

お疲れ様。