奥穂南稜と扇沢下降 戻る
2019年6月2日
奥穂南稜と扇沢 速攻
坂巻温泉0:15~上高地0:47~岳沢登山口1:17~岳沢ヒュッテ2:41~52~南稜取付き3:20~南稜ノ頭7:12~奥穂高岳山頂7:20~27~
扇沢下降~岳沢ヒュッテ9:33~39~上高地10:32~45~坂巻温泉11:03
今日は速攻で奥穂南稜を登攀して扇沢を下降し無駄のない周回をしてきた。最近いつも定番の深夜発で坂巻温泉からスタートした。上高地には初めて持ち込んだロードバイク、重荷を担いで釜トンネルの激坂を漕いでもそれほど苦痛ではなかった。やはりロードバイクは素晴らしい。自転車置き場にチャリを止めて誰もいない上高地を歩いて行く。
岳沢登山口から登山開始、一気に汗が噴き出してきた。1時間半ほどで岳沢ヒュッテに着いて初めてまともな休憩をした。カッパを着こんでスタートする、ここから雪渓が広がっている、迷子になりながら南稜取付き点にやってきた。まだ真っ暗だが行くしかない、取付いてすぐに藪漕ぎになった。暗闇の藪漕ぎはマジで勘弁してください。やはりハイ松は手強い。
一旦尾根の切れ目が出てきた。雪が繋がっている、沢を詰めてここに這い上がれば藪漕ぎはなかった。ちくしょう…。再び尾根に上がるとまたもや藪漕ぎだった。藪と格闘しやっと明るくなった、岩壁が出てきたりちょろい藪が出てきたりでやっと変化に富んだ登攀が楽しめる。下部の尾根は幅が広いのでいろんなルート取りが出来た。僕は効率が良いルンゼや残雪を拾いながら高度を上げた。振り返ると上高地が眼下に見えた。
際どい所もサックっと登り森林限界を超えると絶景が待っていた。今日は独り占めだろう。2800Mからは雪稜歩きとなった。約4時間で南稜ノ頭に到着、登攀終了です。奥穂山頂はすぐそこ、貸し切りの山頂は絶景でした。寒いので記念写真を撮ってすぐに帰ろう。当初は吊り尾根を行き前穂沢から下降しようと思っていたけど隣の扇沢が一番効率がいいので登りながら偵察をしていた。斜度は南稜とほぼ同じなので何とかなるだろうと思い扇沢下降とした。
南稜では使わなかった登攀道具、下りの扇沢ではギアを装着してロープもザックに括り付けた。山頂から少し戻り雪が繋がる所から下降開始、急すぎて下が全く見えないが偵察していたので地形は頭に叩き込んである。今日は曇りなので斜面はカリカリ、スキーではエントリーできないだろうがアイゼンはがっちり効くので良い条件だ。ダブルアックスで慎重に下降していく、たぶん下までずっとバックステップで降りなきゃいけないんだろう。
緊張が続く、ある程度下降すると下も上も急すぎて全く見えなくなった。スリップしたら終わり、豊富な経験がないとここは降りてはいけない。
扇沢には核心が2か所あった、狭くて超急斜面は雪が切れていた、懸垂しようか迷ったが崖をアイゼンの刃でへつって隣の沢筋に逃れた、ここもメチャ急斜面だが雪が付いているから問題ない。さらに下降したら滝がありました。ルーファイがものを言います、際どく反対の尾根に移り下降点を見つけた、降りやすそうな沢を下降していたらハマっていたでしょう。針の孔を探すようなルーファイでした。
ここを通過すると斜度が幾分緩くなり雪面もザラメになったので安心、生きて帰ってこれた。振り返るともちろん下降してきた沢の一部しか見えなかった。あー怖かった。
岳沢ヒュッテで武装解除をして登山道を駆け下りる、一時間かからずに上高地に着いた、相変わらず観光客でごった返していた。後はチャリにまたがり坂巻温泉に行く。激坂の下りは超快適、常に50KMオーバーで気持ちよかった。頑張った後のご褒美でした。
終わってみれば11時間の速攻周回、次はスキーで扇沢を滑りたい。。。
夜明け前には高度があがっていた。
明るくなっても格闘。
高度は上がっていく。
藪から解放された。
マンダム。
南稜の上部。
ジャン。
前穂。
南稜を振り返る。
ちょうど道標に登り上げた。
まさしく頭。
山頂はすぐそこ。
ベイビー。
名峰槍ヶ岳。
ワンデイが懐かしい水晶岳。
下が見えない扇沢を降りる。
核心1。
逃げれた。
核心2。
カリカリなのでスキーはムズイ。
ルートは必ずある。
これでも安全地帯。
ホントの安全地帯。
南稜末端。
さらば。