剱岳　大窓周回　　　　　　　　　　　　戻る

メンバー　僕、YSHRさん、名人、あんちゃん、ガンちゃん、パク

２０１９年４月２１日

伊折ゲート２３：４０～馬場島０：１６～立山川～毛勝谷出合２：１４～二俣３：５０～新室堂乗越４：５０～劔御前小屋５：５５～６：１０～滑降～近藤岩
６：４７～７：００～池の平小屋８：００～３３～滑降～大窓出合８：４０～大窓１０：１５～３７～滑降～タカノスワタリ１１：１２～馬場島１１：４７～伊折ゲート
１２：０７

今日は先月からずっと繰り越しになっていた大窓周回に出かけた。やっと週末と晴れの予報が重なったので行くしかない。久しぶりの名人ともスキーに行けるビッグメンバーでビッグルートに行った。

深夜にゲートに到着、さっさと支度をして２３：４０にゲートを出発した。先週に引き続きゲートからチャリを漕ぐ、登攀具を背負っていないからザックはとても軽かった。馬場島から立山川に行く、チャリが苦手な名人はまだ到着してないけど直ぐに追いついてくると言ってみんなでスタートした。やっぱりすぐに追いついてきました。満月なので明るいので気分もよい、いつもよりハイペースで登っていく。

右岸左岸と雪を拾いながら進み、核心部のゴルジュを際どく乗り越すとこの後はどこでも歩けた。ゆるい傾斜の川は中々標高が上がらない、靴擦れ対策でテーピングを貼って我慢の行進をした。いつしか空は雲に覆われ月が隠れたら暗くなった。二俣手前から急斜面となる、いつもは右俣を行き室堂乗越に行くのだけど僕とYSHRさんは左俣を行き新室堂乗越に行く。初ルートはアイゼンに履き替えて登っていく。意外に苦労せずに稜線に出た、いつものコースのメンバーはまだ来てない。寒さをこらえて待った。

合流する頃に明るくなった、視界があると元気も出る。空は怪しいが別山乗越を目指す。ライチョウ沢にはテントがいっぱい、もう春ですね。ガシガシ登り到着、風強い、視界がない、聞いてないっす。剣御前小屋の横で風を凌いで滑降準備、地獄の装いの劔沢を滑るのは初めてだ。慎重に高度を落としていく、劔沢小屋まで高度を下げると雲から脱出した。そして神様は見捨てていなかった。剱岳の雲が取れて空は晴れてきた、奇跡です、写真をたくさん撮って近藤岩まで滑降する。デブリもなく程よいザラメで超快適、こんな滑りやすい劔沢は初めてだ。この先劔は雲から出ることはなかった。

ここから池の平小屋までの登り返し、時々晴れ間があるので暑かったけどピーカンよりマシだ、今日は意外にも条件がいいかもしれない。１時間で登り上げた、大窓方面の空は雲に覆われ小雪が降ってきたけど視界があるのでよし。大窓出合までの滑降時間は僅か１０分足らず、ここから大窓までの登りが始まる。最後の試練です。

大窓斜面もツルツル斜面、デブリはほとんど無かった。曇り空なので涼しくて体力が奪われない、雪も沈まない、雪崩の心配もあまりない、やっぱりピーカンでないと条件がいいようだ。今年は山では雪が多いのでいつもより大窓斜面の傾斜は緩く歩きやすかった。１時間半の登りで辛いが涼しいから意外に僕は元気だった、皆はゾンビのように歩いていた。
大窓には巨大な雪庇がある、先に到着したのでルート工作をする。雪庇手前で板を担ぎアイゼンを装着。いつもの中央から突破しようとしたけどハングになっていて無理、左の雪壁を登っていくことにする。

８０度くらいの傾斜だろうか、落ちても死なないから気は楽だった。大窓に登り上げると冷たい風が強くて心地よかった。みんなを待ちながら滑降準備をする。最後尾のあんちゃんとガンちゃんを待っていたら寒くなった。支度をした人から順次滑降して少し下がった風のない所で待った。待っている間にガスに巻かれて視界が無くなった。みんな合流して滑降する。ここも高度が下がると視界が開けた。雪質は悪いがあっという間に西仙人谷出合に着き休憩した。この先は快適なザラメ、僅か１０分でタカノスワタリのゴルジュに着いた、スキーは素晴らしいと喜んだのも束の間、雪が切れていた。

何とか石の上を飛んで対岸に渡り、へつってゴルジュを通過した。取水口の堰堤を越え滑ると白萩川は雪が繋がっていない、水量の少ない所で再び飛び石をして対岸に渡った。林道は先週より雪はずいぶんと減っているがまだ十分、馬場島まで快適に滑ってこれた。
試練と憧れの石碑の前で記念写真を撮って、チャリでゲートまで帰還したら山行終了。終わってみれば１２時間半の大窓周回でした。