剱岳 池ノ谷右俣滑降        戻る


メンバー 僕、YSHRさん、あんちゃん

2019年5月26日

馬場島0:30~早月尾根1600M2:24~早月小屋4:20~33~シシ頭鞍部2900Mスキーデポ7:22~37~剱岳山頂7:50~8:00~デポ地点
8:15~40~滑降~二俣9:30~池ノ谷ゴルジュ帯9:51~出合10:22~45~取水口11:14~馬場島11:39


今日は決戦の日、記録の見当たらない池ノ谷右俣を滑降する。当初は偵察がてら右俣をよじ登り剱岳に行く予定であったが記録的な高温の予報で雪も緩むと確信して本番になった。そうと決まれば気合を入れるだけ、寝てる場合ではない。

深夜0時に馬場島に到着して準備してるとバイクが1台やってきた、その後みんな集合して予定通り0:30に馬場島をスタートした。バイクの若者は福岡から山を登りながら北上している。劔は初めてでとっても舐めた装備でアイゼンすら持っていなかった。山頂は無理ですね。僕たちは板を担いで早月尾根を登っていく、足元の軽量化で僕はシューズだった。登り始めた直後から汗だくになった。

軽装の九州男児は追い抜いて行った。しかしそれも標高1600Mを過ぎたら雪が出てきたのでペースダウン、僕たちが先に進んだ。今日も富山平野の夜景がきれいだ、そして星空もきれいだった。1700M辺りからスキーを履いて登っていく、早月小屋手前で明るくなり始めた。
小屋の周辺にはテントが1張りだけでもうスタートしていたようだった。小屋の前で休憩、九州男児も到着した。この先危険なので帰りなさい…、納得していたようだった。

エネルギーを摂ってスタート、急登の途中で夜が明けた。2600M手前でスキーを担いでツボで登っていく、後ろを振り返ると九州男児が密かに登ってきていた。あぶねーな。ずっと上には先行者が見えた、今日は追いつかないだろう。エントリーする右俣には太陽の光が当たっていた、早くザラメになってください。

シシ頭鞍部からエントリーするのでここでスキーをデポして山頂に行く。男児はもう見えない、あきらめたらしい。この先はがれ場なので慎重に行こう、別山尾根から登ってくる数パーティーが見えた。さあ山頂に到着、人が多いっす。今日も絶景、満足です。写真撮ってすぐに下山、静かな所で休憩しよう。デポ地点までサックと降りて滑降準備と休憩をした。ハーネスを装着、ロープをザックに括り付けた。さあなんでもかかってきなさい。

YSHRさん先頭に右俣を滑降していく、ここを滑った人は何人いるのだろう。未知の世界に落ちていく。快適なザラメなので条件がよかった、カチカチだと絶対に無理です。正面の劔尾根がどんどんと近寄ってくる、迫力満点頑張ってよかった瞬間です。GPSで地形を確認しながら滑っていく、下が見えないから慎重に。そして核心の狭いルンゼに入っていく。部分的に氷化しているからヤバい、スリップしたら終わり、池ノ谷の底まで止まらないだろう。ここは一歩づつ確実にエッジを効かしてカニで下降した。

核心を抜けると縦溝地獄だった。しかし心に余裕ができた、初めて見る右俣の絶景を堪能した。写真ですら見たことがない景色、限られた人しか立ち入れられない劔の秘境です。斜度が落ちるとパラダイス、快適滑降で二又に着いた。ここからも楽しそう、ザラメ最高、ぶっ飛ばそう。あんちゃんは飛ばしすぎてコケていた。
振り返ると右俣と左俣が随分と遠くなっていた、遠くに三の窓も見えていた。

あっという間に池ノ谷ゴルジュに到着、ここも核心の一つだ。滝が出ているかも…、スキーがダメならロープを出そう、ロープがダメなら小窓尾根に登り返そう。さあ何が出てくるか。
滝でした。でも岩壁に雪が残っていたのでツボで回避できた。ゴルジュの中心部は凄かった、ここは戦場ですか。落石の残骸だらけで滑降はできない、ツボで降りよう。暗闇しか通過したことのない戦場はマジで凄かった。何度も通りたくない所です。

逃げるように駆け下り安全地帯の出合に到着した。谷から抜けると凄く暑かった。休憩して渡渉の準備をした。ジャバジャバ行きましょう。水はメチャ冷たい、足がちぎれそう、冷たすぎて痛かった。5回ほど渡渉して取水口の林道に到着した。後は歩いて馬場島に戻るだけ。戦いは終わった。
しゃべりながら歩くと馬場島も近かった、いつもの石碑で記念写真を撮ったら山行終了。少ないチャンスをゲットできてよかった、2度目は絶対にないだろう。右俣バンザイ。。。


小窓尾根。

明るくなれ。

山頂見えた。

おはようさん。

先は長い。

トラバース。

夏道も出ている。

デポ地点。

がれ場。

遥か下に池ノ谷の二俣が見える。

劔沢は雪いっぱい。

着いた。この時期はあまり感動がない。

八ッ峰。

下山する。

ハーネスを装着して滑降準備。

レジェンドが行く。

エースも行く。

ルート確認。

この感動は忘れない。

迫力満点の劔尾根。

核心に落ちていく。

未知の世界。

あんちゃん核心中。

右俣中腹。

縦溝地獄。

滅多に見れない景色。

二俣を過ぎる。

さらば。

滝だ。

恐怖のゴルジュ。

戦場です。

渡渉祭り。