早月尾根から雪劔 戻る
メンバー 僕、YSHRさん、あんちゃん、ガンちゃん
2017年11月5日
馬場島2:00~早月小屋5:00~5:30~剱岳山頂8:40~55~早月小屋10:40~11:00~馬場島12:30
中々まとまった雪が降らないので山スキーはできない、ならば体力づくりに剱岳に行く事にした。新雪あり、ラッセルあり、ピーカン、行かない理由はない。今日は4人で挑むからラッセルも随分と楽だろう、深夜2時に馬場島から4人で仲良くスタートした。
曇り空だが上空は快晴だろう、早月尾根の急登をガシガシ登っていく。これだけ寒くなると汗をあまりかかないのがよい。ガンちゃんは久しぶりの参戦なので連休中の山をセーブして気合が入っている。辛い急登が続くが暗闇で何も見えないからまだマシ、嫌なものは見ないほうがいい。1200m程でちらほら雪が出てきた、そして1600m程で完全な積雪となった。もううれしくてたまらない、今期初の新雪ですから。
新雪にトレースを付けていく、2000m辺りでテントが1張りありここから先はトレースが伸びていた。テン泊の先行者がいるようだ、なんだかうれしいような悲しいような…ラッセルしたいけどトレースもありがたい。真っ暗闇の早月小屋に着くとテントが2張りあり準備をしているようだった。ここで防寒対策をする、気温は-5度この先は風も出てくるだろう、アイゼンを装着して出発だ。みんな気合が入っているからハイペース、先行者に追いつくかも。
しばらくで暗闇から解放され絶景が見えてきた。雪劔…これを見たかったのだ。まさしく日本のヒマラヤです。テンション上げてトレースを追っていくと上から若者2人が降りてきた、話を聞くとトラブルがあり山頂を諦めて帰るそうだ。ラッセルありがとう。
さあここからラッセル開始、YSHRさん先頭でラッセルしていき交代しながら標高を上げていく。久しぶりのラッセルは気持ちがよい。
2800mからは核心が続く、凍り付いた劔はヤバいが新雪の劔も侮れない。風が強く手も足もかじかんできた、気温は-8度で強風が吹き体感温度は-10度以下だろう。際どいトラバースやルンゼの登り、岩稜帯の登攀、全く気が抜けない。慎重に登り標柱が見えてきたらもうゴールが近い、岩稜帯が終わると更に絶景が待っていた。写真撮りまくりながら山頂に到着、6時間半の格闘でした。
素晴らしい360度の貸し切り展望、頑張ってよかった、富士山もはっきり見える。もう腹いっぱい、写真撮ったし下山です。下りは超慎重に、急斜面はバックステップでダブルアックス。ガンちゃんちょっとビビッて慎重に降りている。YSHRさんはずっと先に進んでいた。核心が終わりいやらしいトラバースを行き尾根に上がるとYSHRさんは尾根から30m程下にいた???どうやら滑落したようだった。無事でよかった、劔は何があるか分からない危険な山だ。
這い上がり合流したら慎重に行きましょう、早月小屋に着くともう安全地帯です。防寒を解除、アイゼンもカッパも脱ぎタイツ一丁のダッシュモードになる。振り返ると本峰と劔尾根が素晴らしい。やはり雪が似合う山です。ダッシュで早月尾根を下ると先行者たちに追いつく、この時期にワンデイでピークに行ったことに驚いていた。小屋から1時間半馬場島に到着、無事帰還できてよかった、試練と憧れの写真を撮ったら山行終了、楽しかった。
雲海の上はピーカン。
暗闇から解放されると劔ドン。
核心を眺める。
鎖。
ラッセル。
振り返る。
急登のラッセルはきつい。
ガンちゃん頑張れ。
振り返る。
暴風。
標柱が見えた。
絶景バック。
山頂に
着いたぜベイビー。
立山。
八ツ峰。
富士山。
北方稜線。
さらば劔。
今日も試練でした。