唐沢岳 幕岩左方ルンゼ アイスクライミング      戻る


メンバー 僕、若者


2017年3月25日


葛温泉〜高瀬ダム〜唐沢〜B沢〜左方ルンゼ


葛温泉ゲート3:00〜高瀬ダム4:00〜唐沢〜最終堰堤5:00〜B沢出合7:30〜左方ルンゼ出合8:10〜取付8:55〜6ピッチクライミング〜終了点12:19〜懸垂下降開始12:30〜終了13:33〜B沢下降14:00〜
高瀬ダム15:26〜葛温泉ゲート16:05


ビッグデイにふさわしい天気、ビッグルートに行くしかない。条件が悪いとワンデイできずビバークの用意も持って深夜にスタートした。数時間仮眠できただろうか、気合を入れて葛温泉のゲートから若者と2人でガシガシチャリを漕いで行く。今シーズン初チャリはスーパーファットより重い登攀道具を担いで急登を登って行く。早くも尻が痛いがこの為にローラーで鍛えていたんだ。所々凍結していて転倒しないように進む。約1時間漕ぎ続け6.5kmのチャリが終了。

チャリをデポして唐沢を詰めて行く。トレース無し、一番乗りのようだ。しかしこれが地獄のラッセルの始まりだった。暗闇の沢にドボンしないように雪を繋ぎながら詰めて行く、やがてどこでも歩けるようになったがツボ足ラッセルが始まった。例年の今の時期は雪が締まっているのでこのルートをワンデイする人はいるが、ラッセルしてワンデイする人はいないだろう。

終始膝下ラッセル、若者はチャリで足が売り切れたようで僕の単独ラッセルが続く。今日は終了点まで行きたいので体力を温存してもらわないといけない、ラッセル王子になってあげる。さすがにツボラッセルはキツイ、足が痙攣しだしてきた。B沢急登は地獄ラッセルと痙攣で生きた心地がしなかった。ヒイヒイ言いながらやっと左方ルンゼの出合に到着、振り返るとB沢出合に6人パーティーが見えていた。

大休憩して栄養補給してると後続が登ってきた。すぐさまラッセルありがとうと言ってくれた、良い若者達でした。彼らは4時半に出発してきたと言っていた、ラッセルの辛さを物語っている。さあ準備して登ろう、足が攣ってハーネスを履けない、半泣きになりながらやっと装着した。目の前にF2の滝が見えている、このルートの核心部だ。1ピッチ目はここからスタート、逃げずに登り切りドンドン高度を上げて行く。バーチカルの次はナメ滝、小滝と楽しい登攀が続く。高度が上り後ろを振り返ると高瀬ダムが見えていた。素晴らしいクライミングだ。

6ピッチ登り終了点に到着、感無量です、頑張って良かった。絶景を見ながら休憩する。後続はずっと下にいるようだ。さて下降は懸垂を交えてトラバースをするのだがもうラッセルはイヤ…、懸垂下降6回で降りよう。2回目で後続と出会う、時間がかかっているようだ、彼らも日帰り予定だが真っ暗下山は確実だ。約1時間で下降が終了。片付けして帰ろう、帰りも長い。トレースは踏み固まって歩きやすかった、後続のおかげです。

下りも足が攣りだした、もう勘弁してください。やっと高瀬ダムに到着、後方には幕岩が奥に見えていた。よく頑張ったもんだと自分自身褒めた。さあ後はチャリで帰るだけ、調子こいて凍結路ですってんころりん…痛くて涙が出てきた。
終わってみれば13時間の完全燃焼、通常は1泊のルートだがラッセルして13時間は誰もいないだろう。もう行く事はない。。。

名物、堰堤のアルミ梯子。

金時の滝の巻はここ。

幕岩が見えてきた。

B沢。

急登のB沢は地獄でした。

左方ルンゼ。F2が見えている。

F3。

ナメ滝のアイス。

ビレイする僕。

爽快なクライミング。

高瀬ダムで記念写真。

13時間完全燃焼。