白山地獄尾根周回         戻る


メンバー僕、他


2017年10月1日


市ノ瀬~砂防新道~大汝峰~地獄谷~地獄尾根~地獄谷~岩間道~室堂~市ノ瀬

市ノ瀬23:35~別当出合0:25~甚之助小屋2:00~室堂2:50~3:10~大汝峰4:08~懸垂下降~地獄谷合流6:13~地獄尾根上7:13~
4峰8:23~3峰10:37~ルンゼ頭部11:40~懸垂開始12:00~地獄谷合流13:31~岩間道合流16:21~七倉の辻16:57~
室堂18:00~別当出合20:15~市ノ瀬20:30


3週間前に敗退した地獄尾根と火の御子、リベンジを誓っていたので行くしかない、男は行動で示さないといけない。前回敗退したときに大汝峰に登り上げるルートを見つけたので今日はここから地獄谷に下降する。大汝の岩陰に重い登攀具をデポしておいたのだ。

気合の入った若者と2人でチャリを漕ぐ、登攀具が無い分軽いが新たに鉄筋棒を担いでいるからかなり重い。ガシガシ漕いで別当に到着、満天の星空がメチャきれいだった。今日は長丁場になるだろうから慌てず普通のペースで登っていく、体力温存作戦だ。

甚之助辺りで先行者1人を抜いた、こんな時間からどこへ行くんだろう。段々と気温が下がっていく、寒いので黒ぼこ岩で防寒対策をした。室堂に到着したら栄養補給してダウンも着込んだ。さあ行こう、今日は夜景も星空もとてもきれい、名古屋の巨大夜景もはっきり見えていた。山頂はスルーして大汝に向かう。

大汝の山頂はさすがに寒い、まだ真っ暗の中デポしておいた登攀具を探し出し懸垂下降の準備をする。ロープ片手に真っ暗の谷へ下降する、とても不気味で恐怖心があおる。斜度が急になるころ支点を作り50mの懸垂下降を開始、全く下が見えません笛で合図をしながら3回懸垂した。やがて正面に見える山が赤く染まりやっと暗闇から解放された。

沢の岩が凍結している、この秋一番の冷え込みなんだろう。やっぱ滑って転んだ。地獄谷に合流したらしばらく下り地獄尾根に登り上げる小さな谷に取付いた、ここも凍結している。上部は激藪と格闘し前回敗退した地獄尾根の上に這い上がる。絶景の中ギアを装着して出発、裸地の尾根を進むとすぐに藪になった。また激藪との戦いだ、勘弁してほしい。枝パッチンで顔面が痛い、ほんとハイ松は手ごわいです。

藪が終わるといよいよ核心になる、地獄尾根には6つの峰があり4峰から下が核心で火の御子は2峰となる。さあ蟻の戸渡りですか、何年前のフィックスだろうか、もう腐っていた。もろい岩盤にハーケンが刺さっていのでハンマーで打ち直し支点とする。50mロープをいっぱい使いナイフリッジの尾根を下降していく。足元は常に崩れていく。小便ちびりそう、地獄谷も仙人谷も落ちたら死んでしまう。

さあ何が出てくるか、超えられない尾根が出てきた。ハーケン打って30m懸垂、またハーケン打ってトラバースしながら超えていく。確保してもらっているから安心だ。まだまだ続く戸渡り、手元も足元も崩れていく地獄尾根、閻魔様の住み家でしょうか。若者は半泣きで帰りたいと言っていた。細すぎる尾根は終始ロープを使い渡る。やっと3峰に着くと目の前に火の御子ドン。うーんヤバそう。

50m懸垂してルンゼに降りた。すごく細い、足の幅しかないじゃん。もろすぎる岩はハーケンが効かないので鉄筋棒を打ち込み支点とする。もう1度懸垂すると最低鞍部だが作戦会議をする。どう見ても鉄筋棒が足りない、下降にもう1本使うと残り4本だが火の御子に登るのに使い果たすかも、ピークからの懸垂に2本必要だから足りないかもしれない。一か八かで突っ込んだら降りられない可能性がある。

あきらめてルンゼを下降して帰ろう。鉄筋棒の支点を使い懸垂、ハーケン打って懸垂、200m懸垂したらYSHRさんが残置したスリングを発見、これを使いながら下降した。無事降りたら岩間道まで600mの登り返しだ。これまたつらい、やっと上り上げ室堂に向かう。大汝の巻きで夕日が沈んだ、ライトをつけてトボトボ歩く。

ダッシュしたいが今日は無理、弥陀ヶ原の木道から福井の夜景が見えた。本日2回目の夜景です。別当までが遠かった、暗闇の別当は誰もいない。チャリぶっ飛ばし市ノ瀬に行く、途中でキツネと競争になる。そして到着、すごく疲れました。達成感より脱力感が…、21時間の山行でした。

デポしておいた登攀具。

暗闇での懸垂下降。

地獄尾根が燃えている。

安全地帯にやっと出た。

地獄から見た大汝峰。

さあ行くぜよ。

4丁目。

2丁目が続く。

火の御子遠い。

支点は限られる。

秋です。

ナイフリッジと激藪のミックス。

行きたいが無理。

弱点はある。

ハーケン打って帰ろう。

地獄。

懸垂祭り。