白山 火の御子峰ワンデイ 戻る
メンバー 僕、YSHRさん、なにわ君
市ノ瀬~砂防新道~御手水鉢~地獄谷~火の御子峰
市ノ瀬23:00~別当出合23:45~甚之助0:56~室堂1:54~2:10~御手水鉢3:03~下降~谷合流3:46~地獄谷5:26~51~ルンゼ取付き5:56~最低鞍部6:50~登攀開始7:27~火の御子峰山頂8:02~15~懸垂開始8:25~地獄谷10:06~登り返し~御手水鉢12:33~
室堂13:26~別当出合14:46~市ノ瀬14:55
白山開山1300年の今年、記念登山をしたくて火の御子峰を狙っていた。地獄尾根の下部にある火の御子峰は人を寄せ付けない峰で過去に何人登ったんだろう。初回はお花松原から地獄尾根の最高部に登り上げ下降したが激藪であえなく敗退、地獄谷に下降して大汝に登り上げた。2回目は逆ルートから地獄尾根に取付き尾根を下降したが火の御子峰てまえのルンゼで敗退。そして3度目のチャレンジとなった。
YSHRさんも敗退してリベンジを狙っていた、そうなれば必然的に一緒にリベンジするしかない、なにわ君も加わり23時に市ノ瀬をスタートした。みんなロード、僕MTB…遅いから先行きます。すぐにぶち抜かれて全く見えなくなった。頑張って漕いで45分で着いた。ここから登山です、ハーケンに鉄筋棒はなにわ君が担いでくれる、頼もしいです。
ハイペースで登っていく、満月で明るいから歩きやすかった。早くも室堂に到着し防寒対策をする、栄養も摂ったら行こう。大汝峰を巻いて御手水鉢に向かった。着いたらまだ3時、暗い谷に下降していくがYSHRさんのGPSに軌跡が残っていたので安心だった。際どい所はビビるが何とか地獄谷に合流した、でもまだ真っ暗。地獄尾根のルンゼ近くまで行き休憩する。
明るくなってきた、目の前に火の御子峰がそびえたつ。気合が入っているのでもう行こう。ルンゼは落石に注意しながら登っていく、残置のスリングもありルートはバッチリなので早い。1時間ほどで最低鞍部に登り上げビックリ!完璧なルートだった。さあここから戸渡りです、YSHRさんはサクッと登っていき核心部で待っている。なにわ君はビビって馬乗り歩行、時間がかかるが落ちるよりマシだ。
足の幅しかないナイフリッジは天頂部も足を置くと崩れていく、ここは正しく地獄の1丁目だろう。アップダウンの所はもっと厳しく崩れやすい、なにわ君は馬乗り歩行するしかなかった。上部から落ちる岩は崖を転がると飛び跳ねて加速していく、人間も落ちれば同じだろう。こんな危険な尾根は日本中探してもそうそうないだろうな。
何とか核心部まで行くとYSHRさんは岩にスリングをかけビレイの準備をしていた。この先はかなりヤバいのでビレイしてもらいながら僕が登攀していく。もろい岩は触ると崩れる、亀裂に自作の鉄筋棒を打ち込み支点を作る、これで落ちても安心さあ登ろう。ボロボロ崩れていく、まるで積み木崩しのようだ。足の安定したところで2本目を打ち込む、ここはハーケンなんて全く効かないだろう。
際どく登り乗り越す手前で残り3Mの合図、ここで自作のハーケンと残置してあった特性ハーケンを打ち込み支点を作った。ロープを固定してYSHRさんが登る、ガラガラ崩れていくがアッセンダーがあるから大丈夫、続いてなにわ君が登る。ビビッて手も足も中々前に出ない、ここも時間がかかったが登ってくれた。ピークはすぐそこ、戸渡りを慎重に行くと広くなった。もう10mだ、そしてゴール。着いたぜベイビー、感無量。3人で固い握手をして記念写真を撮った。
360度の大絶景、この景色を見た人は何人いるだろう、今日の3人は間違いなく日本1の幸せ者だ。満足したら帰ろう、作戦を変更して支点から直接懸垂下降してルンゼに合流しよう。30m懸垂してハーケンを打つ、落石凄いからロープを追加して50m懸垂して一気に降りよう。ボロボロの斜面はロープがすれるたびに落石が発生する。上からラクーの大声が聞こえた、上を見ると散弾銃の玉のようにいくつも襲い掛かってくる。とっさに体を移動させ小さく構えた。何とか当たらずに済んだ。あれに当たっていたらヤバかった。
ハーケン打ってまた懸垂、落石ビュンビュン生きた心地がしない。なにわ君は懸垂に慣れていないのですごく時間がかかっていた。足も震えている、頑張れ。みんな無事に登ってきたルンゼに合流した。あとは下降して地獄谷に降り立った。生きて帰れてよかった、また握手をし無事を祝った。さあ御手水鉢までの登り返し、今日はまだまだ元気、調子ついてすってんころりん、ストックを1本流してしまった。3度の地獄挑戦はいずれもただでは返してくれない。
谷から這い上がると紅葉パラダイスが待っていた、背後に地獄尾根が見えまるで天国と地獄だ。稜線手前でまたがれ場になり落石が頻発した。慎重に登り登山道に合流した。もう安全地帯、ヘルメットを取って室堂目指す。3連休の室堂はもの凄い人だった、もちろん砂防新道もすごい人。ダッシュできずに別当に到着、あとはチャリにまたがり市ノ瀬に到着。がっちり握手、今日3回目。頑張りました、終わってみれば16時間の記念登頂でした。
暗闇の核心。
地獄谷も真っ暗。
ルンゼを行く。
月と朝日と七倉山。
楽しくなってきた。
一度懸垂して隣のルンゼに入る。
ルンゼ上部。
支点を作りロープを張る。
1丁目。
馬乗り。
地獄を制した。
ビレイしてもらい核心部を行く。
厳しかった。
ピークが見えてきた。
最後の戸渡り。
来たぞ。
集合写真。
懸垂で帰る。
地獄と天国。