剱岳 剱尾根R4登攀       戻る


メンバー 僕、他


2017年5月4日


三ノ窓〜池ノ谷下降〜R4取付〜登攀〜ドーム〜三ノ窓


夜明け前から周りのテントがざわついている、皆それぞれの目的に向かって準備しているようだ。朝ご飯食べて6時前にテントから出るとちょうど池ノ谷から三ノ窓に到着したパーティーがいた。二股でベースを張りR4の予定だったけど偵察したらベルグラで危険だと判断してチンネに転進してきたそうだ。隣のテントの若者も諦めてチンネに行くそうだ。でも僕たちは行くしかない、ベルグラがなんぼのもんじゃい…って思わないと怖いが。

登攀具を担いで池ノ谷を下降する、カチカチなので慎重に歩く、スリップしたら終わりだ。R4の取付は三ノ窓からは近い、途中にまた三ノ窓に向かうパーティーとすれ違う。皆夜明け前から行動しているようだ。R4の取付に来ると先行者がいた、さらにその上にもいるようだ。先頭でないのが悔しい、氷が荒らされているだろう。準備をして登攀しよう。

1ピッチ目は嫌らしいトラバースが待っている、これを見て皆諦めている所だ。ベルグラだがハーケンが頭を出していたのでランナーが取れる、慎重に行き次はベルグラのスラブ斜面だ。案の定氷が荒らされ難易度が高い、支点も取れず核心だ。優しくアックスを引っ掛けて登りカムで支点を作った。

2ピッチ目はルンゼに入って行く、割と安定した氷なのでスクリューも決まり快適に登れた。しかし先行者が起こす落氷が凄すぎる、当たったら痛い。3ピッチ目はミックスとなる。岩にアイゼンを決めながら登りまたアイスとなる。先行者に追い着いたが支点を使われ無い、持参のハーケンを2枚打ち込み支点を作る。

4ピッチ目は薄い氷と滝があった。スクリューは半分しか刺さらない。これは絶対に落ちれないな。5ピッチ目も薄い氷の登りとなる、スクリューが半分もしくは3分の1しかねじ込めず気持ち悪い。そんな時は振り返ろう、小窓尾根がドン。高度感抜群。気持ちが良くなります。6ピッチ目は滝を越えると斜度も緩み雪壁となる。ビレイすることなく雪壁はロープを伸ばしたまま100m登る。

最後の急登は雪が切れてもろい岩場となり緊張が走る、でも際どいほどおもろいから変態なんだろうか。ハイマツでビレイしてドームに到着した。これで登攀終了、絶景が待っていた。見たことが無いチンネや小窓の王のアングル、正面に剱尾根から伸びる長次郎の頭がドン。最高です、頑張って良かった。登攀開始から5時間感無量です。

記念写真撮ったら帰ろう、トレースに従い下ると通常のコルからの下降点ではなくドームから直に下降していた。途中で雪が切れてヤバイ、落ちないように慎重に、ビビりながらやっと池ノ谷に着地できた。ここも核心でした。さあ三ノ窓までの登り返しだ、汗だくになって三ノ窓まで来るとテントが増えている。喧騒なテン場から引っ越しをしよう、長次郎のコルでテント張った。静かで快適でした。

翌朝は本峰を経由して下山した、ライチョウが行く手を阻みモデルになってくれる。山頂が近づくにつれガスで何も見えなくなり山頂もガス…長居は無用、下山開始だ。下からはドンドン登ってくる。慎重に下り降りやがてガスから抜け出し視界が開けた。早月小屋は雪に埋もれ凄かった。例年より3m多いと小屋の主人が話していた。1500mからショートカットして白萩川林道に合流、下界は暑くて試練でした。終わってみればすべてが完全燃焼、剱は本当に甘くない。。。

朝が来た。

R4の全体像。

1ピッチ目が非常にいやらしかった。

カムで支点を作る。

ルンゼに入って行く。

高度感がたまらない。

ミックスは楽しい。

かろうじて残る氷。

小窓尾根。

三ノ窓から鹿島槍ヶ岳が見える。

長次郎の頭。

記念写真。

ライチョウ逃げん。

頑張りました。