最強寒気が入った四ッ岳滑降      戻る



地獄の四ッ岳

メンバー 僕 YSHRさん あんちゃん


2017年1月15日


平湯温泉スキー場2:45〜渡渉点4:52〜標高2300m樹林帯限界9:35〜四ッ岳山頂11:29〜11:55〜滑降〜渡渉点13:14〜登り返し〜滑降〜平湯温泉スキー場14:00


待ちに待った本格的な降雪、第一級の寒波が日本にやってきている。しかし行くしかないだろう、横浜からあんちゃんも駆けつけた、役者が揃えば地獄ツアーだ。

深夜に平湯温泉スキー場の駐車場に着きさっさと支度をする。平湯はかなりのドカ雪でワクワクする、気温は−10℃。スタート前から地獄だった。前日からずっと降り続いているのだろう、入山者は皆無でトレースなんてありゃしない、激ラッセルをこなして山頂に行くしかない。いきなり膝下ラッセルですか、最強マシーンでもこのありさま、先が思いやられる。

3人交代でガシガシラッセルして行く、気温が低いのでラッセルしている時以外は寒くてしょうがない、みんな早くラッセルがしたくてたまんない。激ラッセルながらペースが早い、2時間チョイで渡渉点に着いた。ドカ雪のおかげでブリッジはいくつもあり難なく対岸に渡れた、そして台地に上がる。雪があれば板は脱がないのが山スキーヤー、ありえない急登をスキーで登り上げた。

通い慣れたルートはほぼ完ぺきにトレースを作って行く。やがて明るくなってきたがあまり視界がない、ずっと吹雪いていて顔が痛い。斜度が増すと膝ラッセルが続き腿ラッセルの所もある。久しぶりの激ラッセルが楽しい、パクがいたら感激だろう。今日はどの山域に行っても激ラッセルだろう、多分ツボ足なら胸ラッセルでしょうか。

標高が上がると寒さが増す温度計を見ると−15℃、樹林帯を出る前に完璧な地獄対策をする。一級の寒気が入っているので地獄も一級品だろう…。2300mから樹林帯を抜ける、もちろん風がさらに強くなって行く。意外に上部は雪の結合がよく雪崩れる心配はなさそうだ、もうピークに行くしかない。森林限界を越えると地獄の1丁目になる、視界がもっとなくなりホワイトアウトだが岩稜帯の岩が見えているので目印になる。地獄を突き進みピークに着く、ここは人間のいられる世界ではない。

写真撮ってチョット下り滑降準備をする。停滞するとみるみる体温が奪われる、気温は−18℃。時折猛烈な風が吹きつける、体感温度は−25℃以下。この寒気の中で2700mにいるのは僕たちだけだろう。さっさと逃げましょう、GPSで確認しながら高度を下げる、視界がチョット開けば逃げるのみ…。樹林帯まで逃げ込んだらもう安心、スキーは素晴らしい。

さてここまで頑張ったのでもちろんご褒美がある。至福の激パウだ。もうたまらない、地獄で良かった。あっという間に渡渉点に降り立った。終わってみれば11時間超の地獄ツアー、今シーズンもよい体験ができました◎

激ラッセル。

ここから地獄です。

1丁目辺り。

山頂は近い、行くしかない。

手を上げるのが精いっぱい。

滑降準備も大変。

楽しい、

嬉しい。

ありがとう。