剱岳 大窓周回ワンデイ       戻る


メンバー 僕,YSHRさん、名人、サブちゃん


2017年4月30日


馬場島〜立山川〜剣沢〜大窓周回


馬場島0:00〜東大谷出合1:50〜室堂乗越4:43〜剣御前小屋6:06〜剣沢滑降〜近藤岩6:57〜登り返し〜池の平小屋8:46〜滑降〜二俣8:56〜登り返し〜大窓10:31〜滑降〜西仙人谷出合11:01〜
取水口11:36〜馬場島11:57


今日も気合が入る山行、寝てる場合ではない。夕方寝て夜起きた。車を走らせ馬場島へ23時過ぎに到着、星空満天の暖かい深夜だった。0:00に4人で馬場島をスタート、河原に下りるとスキーで歩けた。今季初の細板はとても足が軽く超快適、もう今シーズンはファットに戻れないな。水が流れている河原だが雪がたっぷりで右左と雪を繋いで登って行ける。しかしデブリだらけで歩きにくい。標高1100m辺りから河原は雪で完全に埋まりどこでも歩けた。

高度が上がるとスベスベ斜面になり歩きやすい、ガシガシ登り夜明け前に室堂乗越に登り上げた。夜明け前の稜線は風が強く寒い、防寒対策をする。さて、まだ登りが続き剣御前小屋まで登る。振り返ると奥大日岳に朝日が当たりとてもきれいだ。1時間チョイかけて剣御前小屋に到着、風の通り道なので寒すぎ、小屋の裏で滑降準備をする。目の前に真っ白な剱岳ドン!これを見たかったのだ。

さあ剣沢の滑降だ、貸切の斜面を写真を撮りながらドンドン落ちてゆく。至福のひと時だ。前日降った雪が程よいパウダーになっている。平蔵谷には前泊者たちが本峰目指して登っている、源次郎尾根にも取り付いている。僕たちは近藤岩を目指してまだまだ滑降していく、この先は誰もいない、いるはずもないか。高度が下がるとパウダーも消えカチカチ斜面になった。そして7時前に到着、ここから池の平小屋まで登り返す。

もうすでに暑い、アウター脱いで登って行く。しばらく登ると新雪ラッセルとなる、ここからが試練だ。シールに雪がダンゴとなり張り付く、筋トレの始まりです。先は長いのでくたばる訳にはいかない、気合を入れ直してガシガシ登って行く。そして池の平小屋に到着、雪で小屋が埋もれていた。新雪が30センチほどか、ラッセルが辛かった分滑りが楽しそうだ。滑降準備して楽しみが始まった。ウーン、マン…、二又まであっという間に到着したのでマンダムではなかった。次は大窓までの標高差550m登り返しだ。

暑い、苦しい、足にくるし体力が奪われる。これを試練と言わずになんと言おう…。登り始めると今まで静粛だった谷に轟音が響き渡り雪崩が発生しだした、もう至る所から発生する。心臓に悪すぎ、神様どうか無事に帰らせてください…。雪崩が収まる様子が無く頻繁に発生している、大窓の雪庇が気持ち悪い。気温の上昇と共に登っている斜面も表層雪崩が襲ってくる。スピードは速くないが目の前を流れて行った。怖いです。

安全地帯はないけどヤバくない所を選んで登って行く、次の瞬間ちょっと規模の大きい雪崩が発生、下のサブちゃんに注意喚起する。しかし雪崩を見てサブちゃんが金縛りにかかっているようだ、大窓の呪いか。棒立ちなので案の定流されていった、しかし数十メートル流されて止まった…無事でよかった。さて大窓最後の難関は巨大雪庇越えだ、急斜面を慎重に登る、名人落ちて行った。でも、なんとか登り切り大窓に到着、皆無事にたどり着いた。

大窓はトレース無し、誰も北方稜線に入っていないようだ。よーく見ると巨大雪庇に大きな亀裂が入っていた、崩れていたらヤバかったな。さあ逃げよう、しかしこの先もあなどれない。最初は新雪のパウダーで快適だったがそれも直ぐにデブリランドとなり試練の滑りになった。デブリが新しいので怖い、上を気にしながら滑降していく。そして西仙人出合まで滑りこめばもう安心、斜度も緩みデブリもなくなった。

出合から取水口まであっという間だった、心配していた鷹ノ巣渡りも雪が繋がっていて渡渉することはなかった。一度も板を脱ぐことなく馬場島まで滑りこみ終了…、ぐるっと周回35km、合計標高差3000m超…。12時間の速攻でした。

夜明け前の雄山。

登ってきた立山川。

剣御前小屋に行く。

やっと夜明けだ。

寒いし。

剱ドン。

撮影大会。

ドンドン落ちてゆく。

さて登り返し。三ノ窓が見える。

池の平小屋埋まってる。

名人元気。

パウ。

最後の登り、大窓へ。

雪崩頻発。

勘弁してください。

大窓の雪庇怖い。

登り上げる。

デブリランド。

逃げてきた。

完全燃焼。