笈ヶ岳滑降 ワンデイ(1841m)境川ダムから       戻る


メンバー 僕、YSHRさん、名人


2017年3月5日


境川ダム林道ゲート0:00〜桂橋2:00〜仙人窟岳北東尾根取付〜標高1000m2:51〜標高1250m下降点5:41〜谷合流6:51〜標高1600m稜線8:42〜笈ヶ岳山頂10:10〜29〜滑降〜1650m登り返し点10:49〜滑降11:19〜
谷からの登り返し点11:34〜滑降13:12〜桂橋13:48〜ゲート15:35


仕事を終え夕方寝て夜起きた。2時間は寝れただろう、寝てる場合ではない、眠いが行くしかない。みんなフルに仕事して集合する、名人は山梨から走ってくる。条件は皆同じ、集合場所である境川ダム林道のゲートまで行く。夜は車が少ないので金沢から1時間かからずに到着した。さっさと準備をして行きましょうか、え?サブがまだ来ていない…、しばらく待とう。待てど来ない、もうじき出発の時間、名人がしびれを切らして電話する。…マジですか…まだ家で寝ている。ありえん。先に行こう。 サブはただのランナーではないはず、気合の入った山スキーヤーだから追いかけてくるだろう。いつもラッセルしてくれているから今日は先にラッセルしてあげよう。

カチカチの雪面はスピードが速い、ダムサイトもスイスイ…。調子こいでダムに転落しないように気を付けてスケーティングしていく。約2時間でダムの奥の桂橋に着いた、橋を渡って最初の沢筋から尾根に取り付く事にする。以前と同じルートだ。谷に入るとラッセルが始まる、トレースがあればサブも安心だろう。完全復活した名人はもうラッセル王子さま。交代でドンドン高度を上げて行く。最初のポコ手前の標高1000mにはあっという間に登り上げた、標高差は400m…早い。

ここから難しい巻きが始まる、ポコと鞍部と平たん地のミックス。GPS見ながらルートを作って行く。これはマジで厳しく標高1250mの下降点にたどり着くまでに3時間近くかかった、笈ヶ岳に行く難所の一つ、誰も来れない要因の一つです。巻終わるころ明るくなり始めた、やっと暗闇から解放されたが試練が待ち受けている。ここから谷まで下りのルートを作る、新雪が30CMほどありラッセルとなる、新雪の下はカチカチで非常に歩きにくい。

際どいトラバースをして行くといきなり落とし穴に片足突っ込み一回転して落ちてしまった。なんとか止まったので良かった、気を付けよう。中々這い上がれないのでYSHRさんが先頭を行く、いやらしい斜面の連続で緊張が走る。そして突然10m上から雪面が破断して雪崩が発生、YSHRさんが一瞬で流された、僕はとっさにピックストック2本を突き刺し無事、その瞬間足元が流れた。これはヤバイ、ドンドンYSHRさんが流される。次の瞬間とっさに灌木にしがみついたYSHRさんは難を逃れた。危なかった、下まで流されたら完全に埋まっていただろう。早く逃げよう、でも折角なんで写真を1枚撮っておこう。

無事脱出して谷に合流できたが、手前でまた落とし穴があり今度は2回転して滑落した。みんな気を取り直して行こう、ここから谷を詰めて稜線に這い上がる、デブリがあちらこちらにあり上部は雪が割れている、ほんと心臓に悪い。時期が遅くなるほど危険な谷だ。気温が上がってくるとシールにダンゴが出来てとても足が重い、疲労に追い打ちをかける。2時間かけてやっと稜線の下部に着いた、山頂部は見えているがここからも甘くない。嫌らしいトラバースが続く、雪崩れないよう祈りながらルートを作って行く、いつしか膝下ラッセルになっていた。

重い足取りで稜線に上がると絶景が…白山ドン!元気が出てきた。山頂はもうすぐそこ、待ってなさい。白山を眺めながらの登行は嬉しい、そしてスタートから10時間、着きました。360度の大展望。頑張った人だけ見れます、イヤ、こんな時期の笈ヶ岳には僕たちしか来たことないだろう。まさにプレミアムな展望です。写真いっぱい撮ったら帰りましょう。帰りも試練が待ち受けている。今日も山頂から滑降開始、あっという間に最初の登り返し点まで滑り込んだ。

気温も上がり疲労もMax。シールを貼って登り返す。さて次は谷に滑りこんで登り返し点まで行く、ここもあっという間。スキーは素晴らしい。またシールを貼って登り返す、1時間40分の格闘でやっと登り返した。もう後は滑るだけ、しかし滑りの体力も少ないぞ。気合で滑りこむ。腿がプルプル、これぞ完全燃焼滑りです。無事桂橋に到着、栄養補給する。ここからも試練、行きはカチカチでスイスイだったが帰りはズブズブでプチラッセル。1時間50分かかってやっとゲートに到着した。

そういえばサブが来なかった、もしかしてただのランナー?オジサン3人が期待していたのに…。終わってみれば15時間半の完全燃焼。もう二度と来ないだろう…たぶん…。

0時スタートは暗闇時間が長い。

明るくなると癒される。

谷を詰める。

トラバース。

稜線近い。

山頂部見えた。

アップダウン。

ラッセル王子が先頭を行く。

白山北部ドン。

手前がシリタカ、奥が冬瓜山。

山頂のシンボル、岩峰が見えてきた。

シンボルアップ。

カリカリ。

着いたぜベイビー。

大笠山バック。

言葉が出ない。

山頂から。

さらばじゃ。