上高地から槍ヶ岳と奥穂高岳滑降ワンデイ     戻る


メンバー 僕


2016年4月16日


釜トンネル〜上高地〜槍沢〜槍ヶ岳〜奥穂高岳周回


釜トンネル0:00〜横尾1:30〜槍沢ロッジ3:00〜大曲4:00〜槍ヶ岳山荘5:55〜槍ヶ岳山頂6:20〜槍ヶ岳山荘6:42〜7:00〜滑降〜天狗原登り返し7:21〜横尾右股滑降8:10〜本谷出合8:24〜涸沢9:30〜穂高岳山荘11:11〜
奥穂高岳山頂12:05〜直登ルンゼ滑降〜涸沢〜滑降終了1750m13:07〜横尾13:58〜釜トンネル15:05


新穂から槍穂にワンデイしたことがあるが上高地からは無かったのでチャレンジしてみた。チャンスがあれば奥穂山頂から扇沢を滑降したかったが単独なので止めたけどこれ正解でした。エントリーしていたら生きてなかったかも…。

深夜0:00に釜トンネルからスタートする、雪は横尾まで全く無かった。横尾から槍沢に入って行く、雪は出てきたが途切れたり出たり、板を担いだまま進み結局槍沢ロッジまで担ぐはめになった。雪はカチカチだったので意外にも早かった。
ここからシール登行開始だがほぼ登山道をたどるように行く。雪があると道が分かりずらく外れると藪地獄になるのでGPSを駆使する。しばらく進みババ平からはもうどこでも歩けるようになった、ここで河原に下りて黙々と進む。暗闇の単調な登りは単独だと寂しい。一人唄を歌うしかないな。

坊主岩小屋辺りで明るくなり始めた、随分とハイペースで来た。氷化斜面を慎重に登って行く、そして槍の小屋手前で夜が明けた。霞んで朝日がきれいでない、槍も赤く染まらない。今日はいまいちだ。小屋までスキーで何とか登り上げアイゼンを履いて穂先に向かう、ちょうど冬期小屋から単独者が下山する所だった。穂先は凍り付き厳冬期よりレベルが高くなっていた、ナメていたら滑落してしまう。慎重に登り到着、風強く寒い。景色は霞んでいまいち、奥穂も霞んでよく見えない。
サクッと降りて滑降準備、前半終了です。天狗原の登り口まであっという間、穂先が遠ざかって行く。再びシールを貼り天狗原から横尾尾根尾目指す。まだ時間が早いが風が無くなると暑い、アウターを脱いで登る。一時間かからず横尾尾根に着き今度は本谷出合まで滑降だ。シールを剥いで滑降開始、まだまだ元気です。

ここもあっという間に到着、標高が下がると更に暑く体力が奪われそうだ。後半戦の奥穂を目指す、標高差は1400m程か。雪も腐りチビラッセルとなる、歌う元気もなくなった。涸沢に着くと小屋のスタッフが沢山いて除雪をしていた。登山者は誰もいない。涸沢から穂高岳山荘はいつ来ても長い、コルが見えてるけど中々近寄ってこない。黙々とラッセルしてると小屋のスタッフが手を振っていた、でも元気が出ない。デブリを避けながらやっと穂高岳山荘に到着した、スタッフがいないし登山者もいない。足跡もなく人の気配がない。ここで休憩してアイゼン装着、山頂部は風が強そうだ。小屋からの登りは核心だ、慎重に登る。槍よりレベルが高いな。ここ下りたくない…。

ダブルアックスで高度を上げ核心を過ぎたら山頂とジャンが見えた、元気が出てきたぞ、もうちょいだ。そして到着、12時間頑張りました。しかしカチカチでルンゼはヤバそう、扇沢なんて話にならない。でも来た道を下るのもかなりヤバそう。直登ルンゼに行くしかないな。滑降準備してルンゼを行く、ヤバイ凍っている。山頂から50m程が核心でコケたら終わってしまう。まさにエッジに命をかけている…もう戻れない。ゆっくり横滑りして上半身は滑落停止体制を取る。生きて帰りたい、そんな思いで徐々に高度を下げて行った。たった50mに10分はかかったか、核心を過ぎたら一安心これで帰れる。もう一人で来るのはやめよう。慎重に滑りルンゼを抜けると快適なザラメだった。

涸沢を過ぎ河原は高度を落とさないようにトラバースして行き本谷橋を目指す。雪少ない…、何とか橋まで来たら橋流されていた。かろうじて雪が繋がっていたからそこを渡りしばらくでスキー終了、標高1750mだった。後は板を担いで横尾に行く、吊り橋を渡ると若者3人が休憩していた。彼らは涸沢を目指していたが本谷橋で敗退して横尾でテン泊するらしい。なので山スキーを勧めておいた。
終わってみれば行動時間15時間、距離は64km、獲得標高3700mの完全燃焼でした。。


写真ないのでルート図見て下さい。

ここはまだ元気。

ここは元気が無かったけど、山頂見えたら元気出た。

横尾尾根までのルート。カチカチなのでアップダウンが無いルートです。

奥穂のルート、登りはデブリを避ける。滑降は直登ルンゼ。生きて帰れて良かった。。。