槍ヶ岳〜奥穂高岳 周回滑降(新穂高起点) 戻る
メンバー 僕 YASUHIROさん
2015年4月22日
新穂0:30〜白出出合1:56〜滝谷3:27〜槍平4:27〜飛騨乗越7:09〜7:46〜槍ヶ岳山頂8:30〜槍ヶ岳山荘8:51〜槍沢滑降〜登り返し9:28〜横尾本谷右股滑降〜本谷出合10:24〜涸沢11:29〜穂高岳山荘13:11〜13:43〜
奥穂山頂14:31〜穂高岳山荘15:10〜白出沢滑降〜白出出合17:13〜新穂18:10
限られた者だけ完結できる周回、日曜に単独で挑戦しようと思っていたが緊急の仕事が入りあえなく中止。なので、水曜にYSHRさんと2人で挑戦することにした。総行動時間17時間40分、累計標高差3500m超…北アルプスならではの記録でした。
深夜0:30に新穂から2人でスタート、暖かい気温で快適。暗闇の林道を行く。最近の豪雨の影響なのか、水の流れている所が大幅に雪が無く板を外すことが多く時間がかかってしまう。苦労しながら進み穂高平から上はほぼ雪が繋がっていた。
細板なのに時間がかかり白出に到着、水が多く対岸に渡るのに苦労した。対岸も雪が繋がっておりしばらくは夏道を進み河原に下り進む。ここも豪雨の影響で河原の雪がだいぶ流され際どい所がいくつもあり、雪面もガタガタで歩きにくい。
大きな亀裂も沢山あり落ちないように行き滝谷に着いた。なんだか厳冬期のラッセルとあまり時間が変わらなかった…。
沢を越え槍平に進む、雪面は相変わらず歩きにくくスピードが出ない。いつもは雪で埋まっている沢に水がありかろうじてブリッジが残っていてそこを渡る。槍平に入るとスベスベ斜面になり歩きやすくなった、そして雪に埋もれた小屋の前で休憩し栄養を取る。薄明るくなり再スタート、しばらく行くと強烈な睡魔に襲われる、もうダメだ、寝ながら歩くしかない。右に左にフラフラ…約30分記憶もとぎれとぎれで進んだ。ようやく目が覚め振り返るとYSHRさんも寝ながら歩いていた。
飛騨沢の急登は雪面がケバ立ちシールがよく効きクトーはいらなかった。乗越からは板を担ぎ小屋まで行く、ここで荷物をデポしアイゼンを履き穂先に取り付いた。穂先は氷もなくルンゼの雪が嫌らしいだけだった。
サクッと登り写真を撮って小屋まで降り、滑降準備をして槍沢に飛び込む。高度が下がると快適ザラメ、だがあっという間に天狗原に登り返す地点に着いた。ここから横尾尾根のコルまで登り返す、直射日光が暑く体力が消耗する。汗だくになりコルに着きまた滑降です。今度は本谷出合までの大滑走、、この時期滑ったのは初めてだがデブリもなく快適ゲレンデ。最高でした。
標高差800mの滑降を楽しんだら次は奥穂山頂までの標高差1300mの登り返しです。槍ヶ岳を登った後のこの登りは拷問です、約3時間で穂高岳山荘に着いたが奥穂山頂はまだ上だ。ガスに包まれ視界が無い。ここでピークに行かず白出沢を滑降したくなるが2つのピークを踏んで初めて周回完結となる。
アイゼンを履き小屋横から取り付く、岩場の急登は槍ヶ岳と同じで雪が無くアイゼンがかわいそう、YSHRさんの新品チタンアイゼンが岩とこすれ火花が散っている。登りきると次は奥穂の核心の雪壁だ。気温は氷点下なのでカチカチ。今の時期でも山をナメてはならない。ダブルアックスで慎重に行く。ここを越えると岩場の連続でまたアイゼンがかわいそう、そしてまた核心標高が上がっているので先ほどの雪壁よりカチンカチン…。でも僕は楽しいな、、、
さらに進むとぼんやりと山頂が見えてきた。そして到着!やりました、嬉しい。記念写真をバチバチ撮る。だがこの時点でもう14時間、早く降りましょう。
核心の下りは一番危険、経験無い人は行ってはダメ。行くなら経験者と行くべし。登りより慎重に降りる、落ちたら本当に終わり。しかし楽しいな…。無事小屋に降り立ち滑降です。降りる途中ガスが一瞬晴れ状況が見えたが白出の上部は雪が無かった。板を担いで雪がある所まで下降し滑り込む、この斜面もカチカチ、反対の斜面はザクザク、日当たり次第でこれだけ違うんです。慎重に滑り下部に来ると快適でした。大滝の巻では去年同様すごく苦労したが、大滝からの下は豪雨の影響でデブリと落石と濁流跡の凄まじい雪面でまともに滑れなかった。最後の最後まで甘くない山行でした。槍穂最高。
暗闇の河原にはいくつもの亀裂があった。
雪が多いが厳冬期はもっとすごかったらしい。
夜明けだ、僕は寝ながら歩いていた。
目が覚めて振り返ると、YSHRさんも寝ながら歩いていた。
飛騨沢上部、この辺りが一番キツイ。。。
槍は黒い。
穂先の最後の階段を登り、
ゴーール
次は奥穂だ!
快適な槍沢。
振り返ると絵になる。。。
右股は超快適でした。
穂高岳山荘では除雪作業に追われていた。
核心部は前爪しか刺さらない。
奥穂の神社が新しくなっていた。
白出上部。
白出下部。
最後はジャンプで終了。