笠ヶ岳滑降(2897m) クリヤ谷往復    戻る


メンバー 僕 YASUHIROさん あんちゃん


2015年3月8日


クリヤ谷登山口3:15〜錫杖沢出合4:50〜クリヤノ頭付近7:53〜笠谷滑り込み8:59〜登り返し〜2750m尾根10:39〜山頂11:17〜11:49〜滑降〜登り返し地点12:08〜クリヤノ頭付近13:10〜渡渉点13:50〜登山口14:22


山岳気象予報士の予報では山は晴れ、最近では休みの日が晴れだとビッグデイになる。 前日仕事を終え奥飛騨の道の駅まで行き車中泊をする、今日も数時間の仮眠だが気合が入っているから大丈夫。しかし飛騨地方はずっと雨が降っていて、夜中も激しく降っていた。仮眠後中尾温泉口の駐車場へ移動し準備をする。雨は止んでいない…予報を信じて行くしかないだろう。

駐車場にYASUHIROさんも合流して雨の中スタート、あんちゃんお久しぶり! 槍見館横の登山口までテクテク歩きここからスキーを履いて登り上げる。今日は雨だから作業用のビニール手袋を着用した。これ絶対に濡れず暖かいが蒸れるのが欠点、雪に変わるまで我慢だ。前日のツボ足トレースがある、上でテン泊しているクライマーだろう。ここは錫杖岳に行くルートでもある。気温が高いから暑いが雨が降っているのでウエア―を脱げない。サウナスーツみたい…
ガンガン登り穴滝を過ぎると渡渉点があるが、雪が多く全く問題なかった。2時間かからず錫杖沢出合を通過した。しばらく行くとライトが見えた、登る準備をしているクライマーだな。クリヤの岩舎に2人がいた。

さらに上にはテントが数張りありまだ寝ている人もいた。ここは冬でもアプローチが良く多くのクライマーが集まる、今の時期はミックスで楽しいだろうな。さらに進み広い沢になった所でやっと明るくなり始めた、もうこの辺りは新雪があり靴ラッセルだ。明るくなると後方には穂高連峰の上部が見えた、下界は雲がかかっている。やがて斜度が急になりクリヤノ頭まで急登が続く。湿った雪で板に貼り付き重い、3人で先頭を交代しながら進んだ。雪と戦いながら尾根に着くと遥か向うに笠ヶ岳が見え疲れが吹っ飛んだ。だがまだ遠い。ここからはほぼ夏道通りに行かないといけない、高度を下げると崖、上げると岩稜だ。際どいトラバースだが何とか雷鳥岩を巻く事が出来た。

この先ルートを確認すると夏道沿いは無理だ、アップダウンもありヤセ尾根もある。ここで一旦笠谷に滑り込み山頂から伸びる南西尾根に登り返すことにした。シールを剥がし滑降、あっという間に滑り込み標高差370mの登り返しだ。
まだ気温が低いので雪崩れる心配はないが心臓に悪い、ここも3人でラッセルを交代し急登を登って行く。もう直射日光が暑くて仕方ない、春です。谷筋の真ん中は危ないので左の尾根状の所に乗り上げ進む。しかし照り付ける日差しで雪が腐りシールに貼り付きダンゴになる、勘弁してください。スーパーファットの重さで滑らないから抵抗がかかり辛い、筋トレはジムで十分やってますので許してください。

もうヘロヘロになりながら進み2750mの尾根に登り上げた、ここで雪質が一転しダンゴから解放された。目の前には山頂部が見える、もう気合で行くしかない。微風が冷たく気持ちがイイ、展望も最高。直下の急登を登り詰め山頂に着いた。8時間かかった、今日は結構きつかった。でも絶景が疲れを忘れさせる。頑張って良かった。さあ滑ろう。とりあえず登り返し点まで…尾根はプチパウで楽しい、さあ次は笠谷の沢だ、しかしお楽しみは少なかった、滑るたびに雪崩が発生する。
重い雪で危険だ。斜滑降で降りるしかない。スキーのシュプールが雪崩れて消えて行く。気温が高くヤバイ。何とか登り返し点に着き登り返す。そして次はクリヤ谷の滑降、谷を覗くとデブリワールドになっていた。斜面全体が雪崩れている。

ここも楽しみなし、デブリの中滑るとさらに雪崩てデッカイ雪の塊が転がって行く。もう逃げるように安全地帯に滑り込んだ、無事でよかった。後は沢沿いに滑り降りるだけ、もうクライマーたちのテントはなく皆下山していた。悪雪に耐えながらやっと
槍見館横の登山口に着いた。生きてて良かった、完全燃焼です。たぶんもう行かないでしょう…  笠ヶ岳最高。


幻想的な夜明けだった。

あんちゃんのスーパーラッセル。

クリヤ谷を詰めた頃、もっと幻想的だった。

クリヤノ頭。雲の上は快晴でした。

岩峰がモンスターになっていた。

正面に見える沢を登り上げる。

今日も際どいトラバース。

純白の沢を登る。帰りはボロボロでした。

穂高をバックに2750mの尾根に登り上げる。

おぉー。山頂部が近い。

頑張った人だけ見れる光景。

山頂に着いたYASUHIROさん。

今日もテッペンからGO!

谷で雪崩発生、あんちゃん流される。

雪崩のスピードより速く滑る。

これはもうアカン、デブリは手ごわい。

もう逃げるしかない、さらば笠ヶ岳。