厳冬期 百四丈滝(滝壺まで滑降)&四塚山    戻る


メンバー 僕 ノザ 名人


2015年2月7日


一里野スキー場0:50〜ゲレンデトップ1:45〜しかり場3:35〜奥長倉山鞍部6:36〜美女坂の頭7:23〜百四丈滝9:10〜9:35〜油池10:57〜2450m地点12:14〜天池13:28〜しかり場15:21〜ハライ谷滑降〜一里野15:59


厳冬期の百四丈滝を見た人はいるのだろうか、滝壺まで行った人はいるのだろうか。記録を探しても見つからない、厳冬期の姿の写真も見たことが無い。2週間前に加賀禅定道をワンデイした時も見えなかった、だが厳冬期でも水が流れていると聞いたので、もう行くしかない。急遽参戦した名人とノザの3人で大記録に挑んだ。

深夜1時発の予定で一里野スキー場に向かう、名人もノザも時間前に集合。今日は雪庇を覗きこむのと下降するために登攀道具を持ってきた、出発前に分担して荷物を分け出発。僕は50mロープを担いでいるので重い。前日の降雪がありチビラッセルのゲレンデを行く、名人は夜弁当を2個食べて腹が苦しいとペースが上がらない。ゲレンデトップからしかり場に向かう、今日は帰りにハライ谷を滑降するので、尾根を直登しトレースは気にしない、ノザがドンドン引っ張って行く。
やがて空の雲が無くなり満天の星と月が出てきた、しかし放射冷却になり突然気温が下がり寒い。早くも防寒をする。しかり場からは奥長倉山の鞍部までの長いルート工作が待っている。でも今日は視界があるので完璧だろう。

巻きに入ると膝下ラッセルがずっと続く、体力が消耗するが3人で回すから前回の単独より全然マシだ。口長倉の鞍部で名人のルートが上がりすぎてカニで下降する羽目に…。しかしそのほかは完璧なルートとなった。トラバースが終わり奥長倉山の鞍部に着くころやっと明るくなり皆気合が入る。朝焼けの山々がきれいだ。美女坂のヤセ尾根の急登も視界があるので危なくない、しかし雪庇には気を付けなければならない。頭の近くまで来ると雪煙が舞っていた、台地に上がる前に再度
防寒対策をする。台地に上がると神々しい、ノザも感動していた。しかし今日は天国のような快晴だが風が強い。台地は相変わらず巨大雪庇が発達しており不気味だ。GPSで展望台の位置を確認し少し登って雪庇の確認をすることにした。

果たして下降できるのか、百四丈滝が見えるのか。雪庇の末端から約15M程離れた所にスノーバーを2本打ち込み支点を作る、そして皆ハーネスを着けロープをセット。ノザと名人に下降器の使い方とロープ登行のやり方を教える、皆呑み込みが早いから安心した。そして僕が下降器をセットして調査する、ノザに支点を足で踏んでもらい雪庇に近づく。もし雪庇ごと落ちても慌てないで!自力で登ってくるから…。末端まで行き覗きこむと見えた!百四丈滝だ。雪庇もこの地点は発達していない、そしてスキーでの下降点も確認できた。重い道具の役目はこれで終わり、名人はちょっとガッカリしていた。懸垂下降したかったらしい。道具をデポしGPSでポイントを入力、これで雪に埋もれても見つけ出せる。

下降点に移動し雪質チェック、大丈夫だ。雄叫びを上げ百四丈滝の滝壺に滑降していく。激パウだ、ドンドン滑降し目の前に滝!厳冬期のこの姿を見たかったのだ。滝の横にブルーアイスの氷柱が出来ている、見事だ。滝つぼまで行き御釜を見ると氷化していた。水量が少ないので裏からも滝を見ることが出来る。感動の連続だ。人を寄せ付けない厳冬期白山の奥山にあるこの滝を間近に見れて幸せです。写真を撮ったら長居は無用、気温が上がると雪崩の危険がある。対岸では早くも雪崩れている。シールを貼り安全地帯に登り上げ、次は四塚山を目指す。尾根に上がらずトラバースして油池の鞍部に行く。雪崩が怖いのでなるべく高度を上げて進む。小規模雪崩にノザが冷や冷や…。強くなったノザは突き進む。

鞍部に乗り上げると暴風だ、雪煙で前が見えない。今日は快晴だから地獄ゴーグルは持ってきていない。四塚山の山頂部は雪煙で姿が見えない、いったいどんな風が吹いているのか。だが行くしかない。長坂の途中でクトーを付け高度を上げる、風もさらに強くなってゆく。僕ら3人のシールが剥がれてきている、付け剥がしの時風が強いから雪が付着した。僕が先頭で登り2450m地点に来たとき歩行不能の暴風が吹き荒れていた、斜面は氷化し、かなり危険、山頂はまだ先でもうダメ、地獄の1丁目だ。皆に敗退の合図を送り高度を下げモンスターの陰で滑降準備をする。早く逃げよう、一気に滑り降り油池の鞍部にきた。ここからトラバースしてきたトレースに乗るのだが、もう消えている。仕方ないので途中までラッセルし天池に登り上げることにした。

また雪崩、名人ちょっと流される。安全地帯に登り上げるとまた風地獄。厳冬期は甘くない。登攀道具デポ地点で道具を回収し後は滑り降りるだけ、美女坂も激パウで楽しかった。トラバースルートも完璧で早い。そしてしかり場からハライ谷に滑り込む、今日は誰も滑っていないようだ。写真を撮り合いあっという間に林道に合流、この谷も無駄がない。そして15時間09分かかり一里野スキー場に到着した、皆満足で完全燃焼。百四丈滝最高。

夜明け前の美女坂

高度感満点だ。

初めて見る台地にノザ感激。

雪庇調査開始、安易に雪庇に近づけない。

雪庇の末端から百四丈滝が見えた。

下降点から滝に滑り込む。

この斜面最高、良い子は滑らないで、、、

激パウ。

やりたい放題。

表層雪崩が頻発、とても危険な所です。

この姿を見たかったのだ。

記念写真。

記念写真2。

厳冬期の裏見滝。

次は四塚山に向かう。

しかし2450mで行動不能、仕方ない。

天池手前で名人が雪崩に流される。

美女の激パウ。