西穂高岳(2908.6m) 戻る
2014年11月15日
メンバー 僕
西穂山荘テン場5:10〜独標6:18〜ピラミッドピーク6:44〜西穂高岳7:32〜独標8:36〜テン場9:11
寒気にどっぷり浸かっている日本、山スキーも楽しめるが岩稜帯を行くのも楽しい。天気が良ければ沢山の人が登ってくるが寒気が入っている時は危険もレベルも一気に上り人を寄せ付けない。耐寒訓練も兼ねて単独で行ってきた。
前日の最終便に乗り込み西穂山荘を目指す、何とか明るいうちにテントを張り潜り込んだ。テン場は誰一人いない、山荘も登山者が1人だけだ。山は荒れているので人は来ないのだろう。食事を作り一人宴会してシュラフに入る、今回持ってきた
のは高級羽毛のウエスタンマウンテ二アリング製のフュラフ、夜中は暑い位だったがシュラフの外は極寒でした。
一晩中風が吹き荒れあまり寝れなかったが4時前に起きて準備をする、テントを出ると15センチほど新雪が積もっていた。暗闇のなかラッセルしながら進み樹林帯を抜けると暴風だが暗いのでサングラスを付けることが出来なかった。
顔を風から背けて進み独標に着いた、この先は風地獄だった。細い稜線を風に飛ばされないよう行く、しばらくして明るくなったのでサングラスを付け突き進む。しかし甘くないホワイトアウトのなかルートを見つけ出すのに苦労する。
おまけにサングラスの隙間から風が入り込みまつ毛が凍り付く、ただでさえ見えないのに勘弁してください。スリップする足場を慎重に行きピラミッドピークに着いた、さらに風が強くなっている。
ここからは岩場が薄い氷のベルグラになっていて緊張感が上がる、なるべく雪の多い所を行くがラッセルがキツイ…地獄の連続でした。
何とか山頂に着き記念写真を撮り速攻で下山したいが登りより下りのほうが危険、さらに下りはホワイトアウトだと尾根の分岐で迷いやすくチョット迷ってしまった。GPSが無ければ安全に行けなかっただろう。
風と氷に苦戦しながら独標直下の安全地帯にやっと着きアイゼンを外す、風もここまで来ればあまり強くない。この先はダッシュで下りテン場に着いた。さっさとテントを撤収して下山した。
やはり寒気が入っていると厳しかった、滑落に道迷い、低体温症などあらゆるリスクがある。夏場は短パンで槍まで駆け抜ける人もいるし厳冬期でも条件が良ければ山頂に行く人もいる。しかし寒気が入れば厳しいアルパインクライミングに変わってしまう…大人の山行でした。
暗いのに稜線に向かう人はいないでしょう。
吹雪いていると足元しか見えない。
この先山頂までが1番厳しかった。
迷い尾根の分岐、振り返り確認する。右が歩きやすいが痛い目に会う。
まつ毛が凍りこんな風に見えなかった。
山頂に着く僕。自分撮りです。
やりました、、大人の山行。
下りはもっと慎重に!ルンゼで風が当たらないから自分撮り出来ました。
北アルプスの冬山経験のない人はこんな日に来たらダメです。
ヤセ尾根はこんな感じ、厳冬期は雪庇が発達します。