北アルプス縦走ワンデイ(飛越トンネル〜新穂高)    戻る


メンバー 僕 YASUHIROさん 髭魔人


2014年4月16日


大規模林道0:00〜飛越TN1:32〜北ノ俣小屋4:49〜北ノ俣6:25〜中俣乗越6:45〜黒部五郎岳8:33〜黒部五郎小屋9:27〜三俣蓮華岳10:59〜丸山11:29〜
双六小屋上部11:48〜双六谷〜大ノマ乗越出合12:02〜大ノマ乗越12:53〜左俣林道合流13:43〜新穂高14:49


今年は雪が多く稜線の雪も豊富にあるはず。まだ誰も入っていないだろう北アルプスの稜線をワンデイで縦走しようと計画。飛越トンネルから北ノ俣岳、黒部五郎岳、三俣蓮華岳の
ピークを踏み双六谷を滑降して大ノマ乗越から新穂高へ降りるビッグルート。総距離は43kmで累計標高差は3000mを越えるルートだ。
前夜新穂高に車1台を回し登山口のある飛越トンネルに向かった。林道の残雪も多く残り除雪もされていないのでトンネル手前6,5kmからのスタートとなった。

深夜0:00にいつもの3人でスタート、満天の夜空に月が出て雲一つない天気だ。単調な林道歩きが続き中々トンネルにたどり着かない。休憩なしで1時間半後にやっと飛越トンネルに着き
水分補給、暖かい夜だ。トンネルからは横の沢筋に取り付き尾根上を目指す。雪は多くどこでも歩け小ピークを巻きながらトラバースして進むがザラメラッセルが厄介で忠実に尾根を行くことにする。
週末のすきーやーのトレースが残っており使える所は使ってラッセルにならないよう体力温存に努めた。

随分と進んだ頃寺地山まで来た、少しだけ登り一旦シールを剥がして先の鞍部までトラバース滑降し再びシールを付け登る。北ノ俣小屋辺りまでの樹林帯を抜けると風が吹き出したので防寒対策をする。
北ノ俣までの大斜面を登っている途中でやっと明るくなる。標高が上がると氷化斜面が出てきたのでクトーを装着しドンドン登り稜線に出た。ちょうど薬師岳に朝日が当たりとても綺麗だ、雪の中から顔を出した
ハイマツに真っ白なライチョウが数羽いてかわいい。稜線に上がると北ノ俣のピークはすぐそこ、強風の山頂に着きシールを剥がし中ノ俣乗越まで滑降する。あっという間着きやっと休憩した。

さあここから黒部五郎岳へ標高差400mの登り返しだ。手前のピークを巻いて本峰の急斜面に取り付く、高度が上がれば強風で辛いが雪の台地化した雲の平や黒部源流の景観に励まされる。
息をつく斜面を登り切り山頂に着いた。振り返ると薬師から続く稜線が確認でき前方遠くには水晶岳や鷲羽岳が展望できた、もう最高の眺望で疲れを忘れさせられた。
山頂からは一度登ってきたルートを滑り本日楽しみの五郎のカールを滑降する。カールのトップから黒部五郎小屋を目指し標高差500mの滑降を楽しんだ。雪はザラメで快適、稜線ならではの
登り返しや滑降が山スキーの醍醐味です。

休憩したら今度は三俣蓮華岳への500mの登り返し、気温が上がってきてるので風が心地いいがそれもつかの間、高度を上げるとまた強風地獄だ。稜線伝いに進み登るが疲労が溜まってきて足が進まない。
一つピークを越え休憩して山頂への最後の登りに取り付く。山頂に近づくにつれ暴風になりカチカチ斜面になる。やっと着いたがやはり稜線のピークは甘くない、写真を撮って速攻で高度を下げる。
風が弱まる所に行きルート確認する、とりあえず目の前の丸山に登り上げ滑降する事にしたのでシールのまま鞍部に下り丸山に登り返した。

暴風にさらされながら滑降準備をして次は双六岳を巻いて双六谷に滑り込む。ここも最高、目の前には槍ヶ岳、表銀座や穂高連峰、北アルプスのど真ん中での滑降に酔いしれた。遥か下に双六小屋が見え始めた頃
高度を下げないようトラバース気味に谷を滑り込む。雪質は悪くなり我慢の滑りになる、GPSと地形図を確認しながら大ノマ乗越出合に到着。スキーは早い。

次は最後の登り返し大ノマ乗越までの250m差、ザクザク雪のラッセルになり足が重い。おまけにザラメではない雪質はシールに張り付き下駄になる、風もなく暑くて苦しい、もう勘弁してほしいが気合で道を切り開く。
心拍数マックスで乗越に到着する、目前に迫る穂高連峰を見て元気が出てきた。ここからは新穂までの滑降となりもう登り返しが無い、セーブして摂取してきた食料と水分を遠慮なく体に満たし滑降準備する。
穂高を見ながら急斜面のザラメ雪を滑降、頑張って良かった。足が結構きてるが根性で滑り降りる、途中の大ノマ岳や秩父岩からのデブリに圧倒された。

下部に行くほどデブリが増えたが乗り越え左俣林道に合流、後もうチョイだ。防寒対策から暑さ対策に替えスキーも歩行モードにして林道を行くが壮絶なデブリに行くてを阻まれて苦労する。なんとかクリアして
林道を行く、この林道高低差があるので比較的に早く降りられる。雪も林道終点500m手前まで繋がっており楽が出来た。最後は板を担いで車のデポ地点に到着、お疲れさまでした。
時間にして14時間49分でワンデイ出来ました。体力、気力の限界にチャレンジできて満足です、素晴らしい仲間とまた思い出が出来ました。

暗闇の北ノ俣大斜面。

稜線から朝日に照らされた薬師岳が見えた。

ライチョウも出迎えてくれた。

北ノ俣山頂。感動の始まり。

黒部五郎岳を見ながら中ノ俣乗越に行く。

黒部五郎岳にアタックする。

着きました。感動の連続です。

五郎のカールに飛び込む。

最高でした。

さらに滑り込み五郎小屋が見えてきた。

三俣蓮華岳への登り返し。背後には黒部五郎岳。

着きました。暴風ですがハイポーズ。

丸山から双六小屋に目指します。

眼下に双六小屋が見えたら谷へトラバース開始。

双六谷下部。

大ノマ乗越に登り上げると飛騨沢が正面に見えた。

大ノマから滑降。幸せです。

止められないです。

デブリがすごかった。

左俣林道のデブリはもっとすごかった。

ワサビ平小屋はまだ雪の中。

14時間49分お疲れさまでした。